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 夕食の時、父の前で
 「ずいぶん可哀そうな思いをさせていたよ」うるむ目を笑ってごまかしていた。
 その後、黄色いワンピースを縫ってくれた。
 「自分でデザインしてごらん。色も好きな色でいいよ」と言われ書いて見せたのが、半そでのシンプルな形で、
 スクリューネックに2センチ程の細い白えり。
 「ほう」と笑った。明かるい黄色の無地なんて恐らくダメ出しされる。
 汚れの目立たない色や生地しか私は着たことがなかったから。
 でも、その時だけはデザインの細かいところを聞きながら、そのまま作ってくれた。
 そのワンピースだけは毎日着ていても平気だった。
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