障碍児
子供の世話ができなかったので、長男は三才になってもしゃべれない。
だから子育てしたいと言って家にいると、また勝手に仕事を決めてきてしまう。その繰り返し。
そのわずかなあいだの保育園か幼稚園の頃、今思い出しても不思議なことが2度あった。お帰りの道で
普通の子のように、私の顔を見ながら楽しそうに一生懸命話しかけてくる。言葉は全くわからないが園の中での様子らしい。
「うん、うん、そうなの」と相槌を打つとぴょんぴょん跳ねて喜ぶ。後で何度思い出しても夢ではない。
同じ頃、夜眠れないので台所に行くと、すぐに追いかけてきて「かあしゃん、ねなしゃい」と泣きそうな顔で何度も言い
私のパジャマの腕を引っ張った。私の生涯で二度だけ普通の母と子になれたひとときだった。
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