鉄道写真いろいろ@エムサ菌総合研究所
北総鉄道7260形さよなら運転に寄せて
〜7260の活躍を振り返る〜

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 2006年4月から2015年3月まで活躍してきた、北総鉄道7260形。
 経年の高いリース車とはいえ北総鉄道の自社発注車と伍して活躍し、特に成田スカイアクセス線開業前は北総線内での高速運転、浅草線内での頻繁な起動・停止、羽田空港駅での短時間折返し、全区間で退避なし・・・  と、京成に残った3300形よりも過酷な環境下で使われているのではないかとさえ思われた『日常的な7260形』の姿を、またスナップ程度のものの寄せ集めですが、見ていこうと思います。

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2007.10.15 新鎌ヶ谷

 新鎌ヶ谷が、まだ営業用としては1面2線しか使っていなかった頃。  よく見れば、前面窓上の車号の書体が、北総鉄道の標準とは異なっています。

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2011.11.15 新鎌ヶ谷

 他のリース車と同様、7260形も“これぞ京成”と言えるような青色地の行先表示幕を付けたまま入線し、活躍していました。

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2012.7.17 新鎌ヶ谷

 旧式化していた7260形にも、『選択閉』機能が付いています。  これは、スイッチ操作により各車両の中間の扉を開けたまま、前後の扉を閉めることができるというもので、冷房・暖房使用時において退避・折返しのための長時間停車の際、車内環境維持に威力を発揮しています。

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【2枚とも】2013.6.27 京成高砂

 夏を思わせる日差しの下で。
 この頃には行先表示幕の地色が黒になっており、ちょっと違和感を覚えたものでした。

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【2枚とも】2013.8.10 東松戸

 更新修繕によって原形を失ったと言われる京成3300形ではありますが、北総鉄道のクールな色合いの塗装が、更新後の7250・7260形にはよく似合っているように思えたのは私だけでしょうか?

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【2枚とも】2013.8.10 7268車内

 7265〜7268となった京成モハ3313〜3316は、1990年から1995年にかけてクロスシートの実車試験が行われました。  当時の鉄道誌を見てみると、4両それぞれに違ったシートアレンジがなされていたようです。  私も一度だけ乗り合わせたことがありますが、座り心地は京急2000形に似ていて、良好な印象を抱きました。
 しかしクロスシートそのものの評価があまり良くなかったのか、ロングシートに戻されたのですが、その際原形に復することなく、一人一人の着席区分が明確になった、オレンジ色系のバケットシートが採用されました。  それには何度か座ったことがありますが、窓枠下の出っ張りが大きかったり、“角”がハッキリしていて座面も硬くガチガチで、とにかく座り心地の悪いものでした。  オレンジ色のモケットも汚れて黒ずみが目立ち、あまり座りたくないと思ったものでした。

 それが、ある時突然写真に見られるタイプに一新されてきたのには、驚きました。  着席区分はかなり緩くなり、座り心地は硬めであるものの悪くなく、扉間の座席端に用意された肘掛も相まって、どこかソファーのような感じで寛げて、個人的にはこれを『スーパーシート』と呼んでおりました。  この車両がその後北総鉄道にリースされてきたときは嬉しく思ったもので、非常に狭い個人的な価値観では、ロングシートとしては最上位にある、好きな椅子でした。
 なお、スーパーシート化の際、脚台は再使用しつつ一人あたりの座席幅が拡幅されたようで、扉間の座席は8人掛けから7人掛けとなり、仕切り板とは別に肘掛が設置されました。  一方、車端寄り・乗務員室背後は着席人数に変更は無く、仕切りに脚を付けて対応していました。  上に掲げた2枚の写真でも、もともと座席裾を仕切っていたポールが取り付けられていたところにビスが埋め込まれているのがわかります。  また、下の画像からは仕切り板の足の存在と、肘掛が無いのがわかります。

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2015.3.7 新鎌ヶ谷

 引退まで約2週間となった7260形に、偶然乗ることができました。
 前面上部の行先表示器の周囲の補修痕が、ちょっと痛々しいです。

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2015.3.7 7261車内

 私が北総線に乗るときは、上り方の車両を選ぶことがほとんどだったので、7261〜7264には乗る機会は少なかったのですが・・・  この時は、下り列車の先頭を撮った後だったので、そのまま7261に乗りました。
 通勤輸送の混雑激化に対応して手すりが多いなど、いかにも昭和40年代に設計されたような作りになっています。
 しかし、内装は一度更新されており、黄色っぽいクリーム色の壁面はやや“濃い”印象があるものの、実際の車齢ほど古ぼけておらず、印象はそれほど悪く思えませんでした。  こうして見ると、座席 (座布団) がフラットで、奥行きも大きいような気がします。

【2015.5.17 追記】 この際に、新鎌ヶ谷→西白井間で前面展望の動画を撮影しました。
 こちらで公開していますので、併せてご覧頂ければ幸いです。

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2013.1.14 新鎌ヶ谷−西白井

 時期はちょっと遡りますが・・・ 降りしきる雪の中を駆け抜ける7260形。  とっておきと言いますか、ちょっと自慢したい1枚です。

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2013.1.15 新鎌ヶ谷−西白井

 上の写真の次の日、良く晴れた雪景色の中を走る。  雪景色だからと撮影に出かけ、7260形が来たときはやっぱり嬉しいものでした。

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 いかがでしたでしょうか?
 7260形は、7000形末期のように“追う”ことはせず、来た列車がたまたま7260形なら写真を撮るという程度の接し方ではありました。  今思えば、運用がある程度限定されていたらしいとはいえ、それなりに『見る』『乗る』機会に恵まれていたのは、ラッキーでした。

 大手私鉄の各社では、昭和の車両がどんどんと廃車されています。
 ただ単に客として乗るだけならば、新しい車両のほうが概ね快適ですからそれに越したことはないのですが、鉄道を趣味として追っている立場からすると、味わいのある、楽しい車両がどんどん消えて行ってしまうのは、時代の流れとはいえちょっと寂しいものがあります。

 ご覧頂き、ありがとうございました。
 ご感想などを、こちらのブログにコメントとして寄せて頂けますと、幸いです。

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2015.3.28 エムサ菌